いよいよ開催 文化庁事業「ARTS for the future!2」
女性文化講座「姫君の空間」ショー
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当協会では、平安期~中世の宮廷女子とその装束に焦点を当てた王朝文化体感プログラムを実施いたします。
文献、資料を基に平安時代~中世の女房装束を復元制作、打出による空間演出を再現し、現代に連なる日本文化の基調をなす雅で華やかな王朝文化の魅力を発信すべく全国4会場にて「姫君の空間」ショーと
題し、「王朝文化、日本の歴史・文化の魅力を伝える機会を創出する」取り組みを行います。
十二単は王朝文化の象徴・代表するものであるが、長袴・単・五衣・打衣・表着・唐衣・裳で構成される現代の十二単は平安時代そのままではなく近世になって再興されたものであり十二単という呼称も後世の俗称であると考えられています。
往時の女性装束は宮廷に仕えた貴族女性(女房)らが着用したことから女房装束と呼称されるのが一般的であります。
平安前期までは唐風のツーピース型の装束を着用していたものが、遣唐使の廃止による国風文化の進展に呼応して変化し、平安中期には成立していたものと考えられますが、その経過は明らかではありません。
当時の女房装束は、往時を描写した絵画や史料から推察すると、現代では5枚重ねる五衣を20枚以上重ねたという記録、袖口や褄に金銀の置き口を・装束にも金銀珠玉瑠璃・螺鈿を施したという記録、また絵画の描写から推察するに、現代の十二単より長大で、豪華なモノであったと考えられます。
また四季を反映させた様々な襲ね色目は日本の美意識の繊細さを象徴するものとも言えましょう。
装束は単なるファッションではなく身分を示すなどの機能を有するものであり、特に女房装束は建築空間/寝殿造りと密接な関係性があり、儀式や宴において女性・装束は空間演出を果たす役割を担っていたと考えられます。
御簾や几帳などから装束の袖や褄を出すことを打出と呼びます。
この打出に空間演出や参加人物の暗示、儀式進行のサインなどの役割があったことも分かってきました。
今回のショーでは、着装解説はもちろんのこと、上述の女房装束による空間演出機能にも焦点を当て、新しい観点でのショーを演出いたします。
文化庁事業「ARTS for the future! 2」とは
長期にわたるコロナ禍により甚大な影響を受けた文化芸術活動の再興を図るためプロの文化芸術団体が感染対策を考慮したうえで積極的に公演等を開催しその活動の充実、発展を図る取り組みを支援します。